神々の宿る島
奄美の風景

100編で綴った
奄美の風景。

日常でもあり
非日常でもある。

島の中では
祭りに限らず
生活の中に
神様が宿る。

大きなガジュマルの木
海岸の大きな岩
山の中の泉。

いろいろな場所に
神々が宿る。

ユタ神さまという
神様もいる。

宗教に関係なく
自然や自分達より上の存在に
畏敬の念を感じながら
生活することは
私たち人間にとって
とても大切なことだと
思う。

技術があれば、
お金があれば、
他人の時間を買って、
という考え方を
転換するためにも
奄美の土地を訪れてほしい。

奄美を感じることは、
島に宿る神を感じることなのかも
しれない。

そぞろ集まり餅をつく
奄美の風景

毎年、12月28日は餅つきの日。
島の伝統行事ではなく、
あるお家の伝統行事に
仲間が集う。

その日を境に
年末ムードが
一気に高まる。

前の日に必要な分量の
糯米に水を吸わせ、
ザルにあげて
持って行く。

到着順にせいろで蒸して
到着順に餅をつく。

慣れた人は
淡々とつき、
初めての人は
経験者に習う。

杵をつく人と
餅を返す人は
背中合わせになり
タイミングを合わせる。

腰を落とす感じで
一気に杵を降ろす。

落とす位置がズレると
臼と杵がぶつかって
杵の木屑が
餅に交じる。

くれぐれも
パートナーの
手に気を付けて
タイミングよく杵を降ろす。

お米の集まりが
ブツブツの残る一つの固まりになり
みるみる滑らかな餅になる。

水をつけ過ぎぬこと
水を適度につけること。

単純なようで
意外と難しく、
結果は
正直に餅の触感に出る。

海の調べを聞きながら
各自の餅の出来を語らって
今年を振り返るのも
僕にとっては
奄美ならではの
風景だ。

唇を紅に染めて
奄美の風景

奄美の代表的な果物
スモモ。

切ると
断面は真っ赤で、
果汁は酸っぱくて甘い。

スモモと言っても
桃ではなく
正確にはバラ科の植物。

奄美のスモモは
ガラリ(花螺李)という
南方系の
スモモです

ジャムにしたり
スモモ酒にしたり
砂糖漬けにしたり。
でも、生をかじるのが
私は一番好き。

個体によって
味が微妙に異なり
なかなか見た目では
わかりません。

注意しないと
赤い果汁が
シャツに着き
なかなか落ちない
ことになります。

唇も舌も真っ赤にしながら
スモモをかじるのは
梅雨の季節の
楽しみです。

最盛期は
5月から6月。
この季節に奄美を訪れたなら
是非、食べてほしい果実です。

霧雨降る日の森で深呼吸
奄美の風景

オオタニワタリは
シダ科の植物。

奄美の森に入ると
見かけることのある
南の島を連想させる
植物だ。

木の途中にくっついているのだが
寄生しているのではなく
着生している。

自分の根で
水を吸い
葉に伝えている。

食用になる種類もあるらしいと
以前伺ったことがある。

森に入り
山の香りを嗅ぎながら
深呼吸をしてみると、
肺の中が浄化されていくのが
わかる。

奄美は
海もいいが
山もいい。

オオタニワタリに会いに
山に出かけよう。

霧雨か小雨の時が
最も雰囲気があるので、
他のアクティビティが
億劫だなと思ったら
ガイドさんに頼んで
カッパを持って出かけよう。

自分の体の細胞が
喜んでくれるはず。

果物のお祭り広場
奄美の風景

その季節の
地元の果物を知りたければ、
長浜にある
奥商店に行くとよい。

パッションの季節なら
パッション祭り。
スモモの季節なら
スモモ祭り。
マンゴーの季節なら
マンゴー祭り。
タンカンの季節なら
タンカン祭り。

祭りと言っても
お祭りが開かれている訳でなく
出荷がピークになり
お祭り状態になっている
ということ。

旬の果物を
沢山買って
内地の皆さんに贈るのもいい。

くれぐれも
島の人には
贈らぬこと。

その方の家も
お祭り状態になっている。

その土地の食材を食す
奄美の風景

あのカラフルな魚
食べるんですか?

奄美を
観光で訪れた方から
よく聞かれる質問。

食べます。
旨いです。

ブダイの刺身は
白身でコリコリ。

醤油でなく
酢みそでいただきます。

その土地のものを
その土地のいただき方で。

謎の足跡を追う
奄美の風景

早く目覚めた朝は
ビーチに出て
朝日を拝む。

砂浜の上には
夜の活動家たちの
足跡が残る。

鳥の足跡。
亀の足跡。
ヤドカリの足跡。

まっすぐに海に行く者。
丘に帰る者。
蛇行する者。
迷う者。

活動家たちの
足跡を見ながら
浜を降り
波打ち際で
朝日を拝む。

奄美の朝の
贅沢なひと時。

人を通して光を観る
奄美の風景

観光は、
光を観ると書く。

でも、多分正しくは、
人を通して光を観る。

その場合の人というのは
ガイドさん。

ガイドと一緒に入る自然と
自分だけで入る自然は
情報量がまるで違う。

どういう観点で
何を
どう見ればいいのか。

初めての場所は
ガイドさんにお願いして
連れて行ってもらうと
ずっとリッチな旅になる。

奄美のメジャーな
観光スポット
マングローブも
ただカヌーで下っても
何がどうなっていて
どこにどんな生き物がいて、
その時以外のときの風景は
わかりません。

初めての場所には
ガイドさんと行くといいですよ。

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奄美群島のガイドのことなら、
こちら
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水が落ち着く頃
奄美の風景

夏は生き物が豊かなために
海は少し混雑気味。

夏の終わりに
台風で海が
かき回され、
秋になると
水が落ち着く。

秋から冬は
水がきれいだ。

海の中から水面を見たり、
ちょっと深いところで
海の底を見たり。

水着だけでは冷たいので、
ウェットスーツを着て
出かけましょう。

愛あるオバの命令
奄美の風景

車を走らせていると
見かけた姿を発見。

車を止めて、聞いてみる。
「オバ今日は何?」
「えー。みかんをもらってきたのよ。」
「半分持って行きなさい。」

今、もらってきたみかんを
惜しげもなく、
半分くれる。

島のオバは
いつも命令調だ。

「食べなさい。」
「持って行きなさい。」
「おかわりしなさい。」

愛のある
命令だ。

決して断ってはいけない。
ありがたく受け取り、
お返しをしよう。

幸せ気分の島バナナ
奄美の風景

島で見かける
小ぶりのバナナ。

島バナナ。

甘味も強いが、
何と言っても特徴は
あの香り。

とても甘美な
香りがする。

写真のような状態だと
そろそろ食べごろ。
もう少しソバカスが多くなって
完熟の時期が
絶妙に美味しい。

島バナナも
自分の家の庭に
なっているいるのを
食べるか、
人にもらうか。

とてもハッピーになる果物
バナナ。
Let's go bananas

ビーチ沿いの宿の朝
奄美の風景

海沿いの宿に泊まり
波の音で目が覚める。

伸びをしながら
デッキに出ると
やがて朝日が昇る。

階下から
ベーコンを焼く
いい匂いがして
一気にお腹が
空いてくる。

「おはようございます。」と
声をかけながら
下に降り、
ビーチに向かって開け放たれた
テーブルを見ると
そこには美味しそうな
野菜とフルーツたち。

そして、朝の光を受けて
少し汗をかいた
グラスに入る
美しいクランベリージュース。

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